私の父(74歳)は昨年、足の血管の血行障害により左足が壊疽し膝から下の切断を余儀なくされるという大きな試練に直面しました。

その後は義足を作って歩けるようになることを目標に、入院しながら3~4カ月間リハビリしていたのですが、思ったより切断面の皮膚の治りが遅く(血流障害の人の傷の治りが遅いのはよくあることらしいです)、
『これでは断端(足の切断面)に全体重を乗せたときに足が傷つく可能性が高いので、義足は作れないかもしれない』
という判断を下されました。
父は成す術なく退院し、要介護度5・身体障碍者3級となってからはエレベーター無しの2Fのマンション自宅内のみでの車いす生活というを余儀なくされていました。
義足はダメ、松葉杖は危ない、車いすか歩行器が必須だが自宅がエレベーター無しの2Fなため、一人で外出することもできない・・・
そんな苦しい状況の中で出会ったのが、『iWALKFree 3.0』というハンズフリーの松葉杖でした!
本来iWALKFree 3.0は骨折や打撲、アキレス腱の損傷などのけがをした人が使うための松葉杖です。
欧米ではすでにたくさんの人が使用している松葉杖なのに、日本ではまだ知名度も低く、医療関係者や介護関係者に聞いても一様に「初めて見た!」という言葉が返ってくるばかりでした!
しかし、Amazonでこれを見つけたとき、私は
「義足を作れない父にとっては救世主となり得る、希望の松葉杖だ!」
と感じ、介護保険が効かない商品のため少々お高かったですが、迷わず購入を決めたのでした。
iWALKFree 3.0が下肢切断後の父の生活をどのように変えてくれたのか、そして実際に使用して感じたメリットとデメリットについてお伝えしていきますね!
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iWALKFree 3.0とはどんな松葉杖?
iWALKFree 3.0は、従来のわきの下で挟む2本セットの松葉杖とは異なり、両手が自由に使える「ハンズフリー型松葉杖」です。
サイズ | 全長:65~95㎝ ももあて~ひざパッド:30~43㎝(2㎝ピッチ8段階の調整可) ひざパット~接地面:35~52㎝(1㎝ピッチ14段階の調整可) |
適応身長 | 約150~195㎝ |
本体重量 | 約2.4㎏ |
適応体重 | 126㎏以下 |
材質 | パイプ:アルミ 結合部:樹脂クッション、ウレタン 足裏部:合成ゴム |
カラー | ブラック |
膝をついた状態で太もも・ひざ下・ふくらはぎの三か所を固定する構造で、まるで義足のように使えるため、日常生活の中での動作が格段に楽になります。
慣れれば家事、トイレ、階段の昇降といった日常の動作が手ぶらでスムーズに行えるようになるので、一人で行けなかったゴミ出しや買い物に行くのも夢じゃなくなります!
父がiWALKFree 3.0を使用してみた実体験談
父は退院当初まだ筋力が弱っており、この製品をうまく使いこなせるか不安そうでした。
しかし、自主トレや訪問リハビリさんとの練習など、自宅で何度も練習を重ねるうちに徐々に数十秒手を離して立つことができるようになり、それから徐々につかまりながら歩けるようになったり、とだんだん慣れてきました。
今ではiWALKFree 3.0のおかげで再び「歩く」という感覚を取り戻しつつあります!
特に感動的だったのは、父が「また自分の足で立てる」という希望を見出した瞬間でした。
iWALKFree 3.0をつけた状態でそっと手すりから手を離し、何もつかまっていない状態で20秒ほど立てたとき、「俺、半年ぶりに立てたよ!」と目を輝かせていました!
それからは乗り気でなかったリハビリにも一生懸命取り組むようになり、今まで段差があって行けなかった自宅のトイレにも一人で行けるようになり、その都度嬉しそうに私に報告してくれるのでした。
iWALKFree 3.0のメリット

iWALKFree 3.0を使用することによって得られるメリット(良い点)はこちらです。
両手が自由になる
従来の松葉杖とは違い、わきの下や腕に負担がかからないため痛みがありません!
なんといっても両手があくのが最大のメリットです。
荷物も持てますし、傘もさせます!
公式動画では、赤ちゃんを抱っこしたり階段を上ったりスポーツジムで運動をしている様子なども見られました!
従来の松葉杖では難しかった家事や買い物も可能になり、不自由の少ない日常生活を取り戻すことができます。
安定感がある
足裏の部分のグリップは、トレッキングシューズにも採用されているvibram製で、雨の日でも安心して歩けます!
構造的にも膝をつくタイプなので装着時の安定感が高く、歩行や階段の昇降も比較的スムーズに行えます。
高さの微調整も可能ですので、靴の高さなどに合わせて高さを微調整することもできます!
リハビリ効果
普通の松葉杖に比べると、2足歩行ができるので両足の筋力の低下を防ぐことができます。
特に、普通の松葉杖や車いすでは鍛えることができない、お尻の筋肉や太ももの筋肉など、歩くときに必要な筋肉を使うことができますので、リハビリの一環としても役立ちます。
気持ちが前向きになる
下肢切断した人にしかわからない気持ちだと思いますが、義足への希望も絶たれたらそれはもう落ち込むどころの騒ぎではありません。
前まで普通にしていた日常の動作もなにもできなくなるのですから、中には命を絶ってしまいそうになるほど落ち込む人もいると聞きます。
いつもポジティブな父でさえも、たった数カ月の間に髪の毛が真っ白になってしまうほどには落ち込みました。
しかし、iWALKFree 3.0と出会い、また歩けるようになるという希望が見いだせただけで父のメンタルはかなり前向きになり、がぜんリハビリへのやる気がアップしていました!
自分の両足で歩けるということはやはり素晴らしいことです!
iWALKFree 3.0の残念な点・デメリット

iWALKFree 3.0には少々残念な点・デメリットもあります。
組み立てに手間がかかるかも
iWALKFree 3.0は、組み立て式の松葉杖ですので、最初はまず自分のサイズに合わせて組み立てなければなりません。
また、説明書や説明動画がわかりにくいと感じる人もいるかもしれません。
一度自分に合った高さで組み立ててしまえば、次回からは装着するだけなので楽になります。
最初だけ少々大変かもしれませんね!
慣れるまで歩くのに時間がかかるかも
初めて使用する際はバランスを取るのが難しく、練習が必要です。
また、退院直後は長く寝ていたため歩くという動作を身体が忘れかけているので思うように足が動かないことが多いですので、必ず安全な場所で手すりなどにつかまりながら少し練習してから使いましょう!
少し重いかも
製品自体は義足などに比べるとやや重いため(約2.4㎏)、長時間の使用では疲れを感じることがあります。
常に装着するものではなく、ピンポイントで使用することをおすすめします。
しかし重量感があるため、安定感はバツグンですよ!
装着に手間がかかるかも
慣れるまでは装着するのに少し時間がかかるかもしれません。
頻繁に着脱する場面では不便を感じることもあるかもしれませんが、サイズ設定さえ初めにしてしまえばあとはカチッ、カチッと止めるだけなので10秒もあればOK!
すぐに慣れるはずです。
装着したまま座れない場合も
いすの種類によっては、装着したままでは座れないので不便かもしれません。
また、椅子の高さによっては座ったまま装着できない場合があるので注意が必要です。
しかし取付け、取り外しは慣れれば簡単なので、便利さの方が上回るのではないかと思います!
iWALKFree 3.0の注意点
iWALKFree 3.0を下肢切断した人が使用するにあたり注意する点があります。
①両足切断の人は使えない
②膝上から切断した人は使えない
③もう片方の足が完全に機能している必要がある
④濡れた場所での使用は滑りやすいので注意
iWALKFree 3.0は片膝で支えるタイプの松葉杖です。
膝から上で切断している人や、膝を負傷しているひと、両足を切断している人には使えませんのでご注意ください!
また、もう一方の足はケガがなく完全に機能している必要があります。
またiWALKFree 3.0は耐水性ですが、完全防水ではないのでバンド部分などは濡れることがあります。
また、濡れた路面などでは滑ることがあります。
特に階段の上り下りの際、もし雨などで濡れている場合は必ず手すりを使用しましょう。
【片足切断生活】iWALKFree 3.0により再び立てるようになった父の実体験口コミレビュー!まとめ
iWALKFree 3.0は、父にとって「再び歩く」という希望を与えてくれた素晴らしい製品です。
従来の松葉杖とは違い、上半身に負担をかけず両手がフリーになり、2足歩行が叶います!
デメリットもそれなりにありますが、それらを上回るほどの感動体験ができると思います。
もちろん、下肢切断したすべての人にとっての完璧な解決策ではないかもしれませんが、従来の松葉杖に不便を感じている方や、義足がまだ作れない方には一度試してみる価値があるのでは?と強く感じています。
もし同じような状況にいる方がいれば、ぜひこの製品を検討してみてくださいね!
父のように、新たな一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません!
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