「今日もまた同じことを何度も聞かれてイライラしちゃったな…」
毎日繰り返される認知症家族の介護中のやりとりに、心がすり減ってしまう瞬間ありますよね。
ため息が出る日もあるけれど、そこに“アハ体験”のような小さなひらめきを加えるだけで、お互いに空気がふっと軽くなることもあります。
アハ体験は、脳を活性化しすっきりとリラックス感をもたらしてくれるので、認知症の人、そして介護している側の両方にメリットがあるのです!
脳を刺激しながら笑顔になれる時間は、介護する側・される側どちらにとっても大切な心の栄養。
脳トレしながら家族団らんの時間を持つ、今回はそんなひとときを作ってくれる10個の『アハ体験実践法』をご紹介します!
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アハ体験とは?

「アハ体験」とは、問題の答えや物事の本質が突然わかる瞬間にあっ!と感じる「ひらめき」のこと。
脳科学の分野では、このアハ体験の瞬間に脳の前頭前野や海馬が活性化し、記憶力や学習能力が向上することがわかっています!
日本で『アハ体験』という言葉を広めた脳科学者の茂木健一郎氏は、アハ体験の瞬間(約0.1秒)に、脳内の神経細胞が一斉に活性化する、と報告しています。
デューク大学の研究では、アハ体験を伴う学習はそうでない学習に比べて記憶の定着率が2倍以上になると報告されています。
またfMRIによる観察では、アハ体験時に脳の報酬系(ドーパミン系)が活性化し、ポジティブな感情と結びつくことも確認されています。
なぜ認知症の方にアハ体験が効果的なのか?
認知症の方は、記憶や注意力、判断力などの認知機能が低下しますが、アハ体験によって脳の可塑性(柔軟に変化する力)が刺激され、残存する認知機能の活性化が期待できる、というのです。
さらに、「できた!」という達成感が自己肯定感や意欲の向上にもつながっていくのだとか。
認知症の家族と一緒に、アハ体験して脳を活性化していきましょう!
認知症の親と一緒にできる!アハ体験を引き出す10の方法
認知症の家族と一緒に楽しく会話しながら、脳神経も刺激しちゃいましょう。
これからご紹介するゲームは、実際にデイサービスや介護施設などでも使われているものもあります。
ゲーム系の脳トレの場合、30秒~1分間の時間制限を設けてあげるとさらにスリルが増して盛り上がりますよ!
新聞紙やチラシで「〇〇探し」ゲーム

新聞やチラシを見ながら、〇〇探しゲームをするのはいかがですか?
●「木へん」「さんずい」などの部首を持つ漢字を探すゲーム
●「1〜10」の数字を順番に探すゲーム
●「あ」~「ん」までのひらがなを順番に探すゲーム
集中力、達成感が得られると同時に、視覚認識と記憶の連携を促してくれます。
ルールが簡単なので、誰にでもすぐ始められるのがメリットですね!
「図形模写」レクリエーション

見本の図形を見て、折り紙やちぎり絵で再現するちょっぴり高度な遊びです。
折り紙がなければ、絵をマネして描いてもらうのも良さそうです。
認知症で失われてしまいがちな空間認識や創造力を刺激してくれます!
「色探し」チャレンジ
広告やチラシから「赤」「青」「黄色」などの色を探す遊びです。
文字を探すのとは違って、こちらは視覚の刺激と判断力を同時に使います。
アハ体験動画を見る

YouTubeなどで公開されているアハ体験動画(画像の一部が少しずつ変化する画像や錯視動画)を一緒に見る遊びです。
視覚的なひらめきが得られ、会話のきっかけにもなり、一緒に盛り上がれそうですね!
↓ こちらの脳トレ動画おすすめです♪
間違い探しプリント
2枚の似た絵を見比べて、違いを探すゲームです。
注意力と観察力を鍛え、成功体験が得られやすいです。
間違い探しの本などもたくさん市販されていますし、動画でも見られますね。
懐かしの曲で「歌詞あてクイズ」

昭和の歌謡曲などを流し、途中で止めて「この続きは?」と問いかけるゲームです。
記憶の引き出しを刺激します。
認知症の方が若い頃に好きだった歌手の曲や、時代の曲が望ましいですね!
「ことわざしりとり」
「犬も歩けば棒に当たる」→「るから始まることわざ」…と続ける遊びです。
言語記憶力と発想力を同時に使います。
もしちょっと難しければ(私でも難しい・・・!笑)ことわざじゃなくても、例えば八百屋さんに売っているもの、歌手の名前、動物の名前、など何か一つのテーマに絞ったしりとりならば脳トレになるので良いと思います!
「昔の道具」クイズ
洗濯板や黒電話など、昔の道具の写真を見せて「これは何に使う?」と問いかけるゲームです。
昔の記憶を引っ張り出すので、長期記憶の活性化に効果的です。
アハ体験は、認知症介護中の親子のコミュニケーションにもなる脳の栄養です

今回は、認知症の予防や進行を遅らせるのに効果的な『アハ体験』ができる方法を8つご紹介しました。
アハ体験は、脳の活性化・記憶力の向上・意欲の回復に効果的なだけでなく、親子で一緒に楽しめる「心の交流の時間」にもなります。
特別な道具は不要で、新聞やスマホ、昔の思い出など、身近なもので始められるのも魅力です。
介護の中に「楽しさ」や「ひらめき」を取り入れて、日々のケアをもっと前向きにしてみませんか?
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