4月某日、PTAの下部組織である某委員会の第一回定例会にて。
緊張感漂う、新年度の正副委員長決めのくじ引きタイム。(全員下を向いている。立候補者はゼロ)
「立候補者はいませんね・・・ではくじ引きで決めさせていただきます。」
と前年度委員長の一言。
30分の1の確率、まぁ当たらないだろうと思いながら引いたくじ、次の瞬間自分の名前が呼ばれ——頭の中が真っ白に。
思わず
「へぇぇっ?!」っと変な声を出してしまいました。
私はただ静かに子どもの学校生活を見守っていたいだけなのに・・・
「PTA委員長」になるなんて、想像すらしていなかった。
ただでさえ私は仕事、両親の介護を両立しながらの育児で忙しいのに、そこへまさかのPTAまで・・・
この記事は、そんな“望んでいなかった役割”を引き受けることになった私が、どう乗り越え、何を得たのかを記した体験記です!
今、あの時の私と同じように絶望しているあなたの心が少しでも軽くなりますように。
・小学生の親だ
・PTA役員、委員、係の正副委員長などに選ばれてしまってつらい
・役員をやる自信がない
・自分にはリーダー気質がない
・自分は引っ込み思案だ
・人前で話すのが苦手だ
なぜPTA・委員長になるのは怖いのか?

- 場を仕切るなんて私には無理!
- 引き継ぎ資料が「古文書」並みに厚い。わかりづらい。
- 一つでも何か抜けがあったらどうなってしまうのか想像できない
- 前年度の委員長から「まぁ大丈夫ですよ!」と軽やかに引き渡される
- 他の保護者から急に頼られ始めてプレッシャー倍増
「私は陽キャじゃないし、頼りがいのあるリーダータイプでもない…」
「完璧にやりきる自信がない・・・」
という気持ちがあるからこそ、怖い・逃げ出したいという思いがより強くなるものなのです。
でもそんな人ほど、実は向いているのかも?と感じています。
例えば無責任なタイプ、根拠もなく自分に自信があるタイプの人は最初は調子が良く頼りがいがありそうに見えるかもしれませんが、ロクに資料を読まなかったり、途中でぷいっと投げ出すこともしばしばです。笑
そんな人よりも、あなたのように不安でいっぱいの人へは周りの保護者さんや先生方が必ず温かい声掛けをしてくれますし、協力サポートしてくれます!
絶望期から脱するためにやったこと3つ

① できないことは、ちゃんと「できません」と言う
② 「全部自分でやる」をやめて、任せてみる
③ 歴代の先輩委員に素直に頼る
①できないことは、ちゃんと「できません」と言う
こちらは、言ってみると意外に共感してくれる人がいて、ひとりで背負い込まなくて済みました。
私の場合、まず就任した初日に
「私はこういう理由で非常に忙しい人間です。LINEの即レスはできないことをご了承ください!」と最初から保険をかけました笑
そして、委員長と副委員長で携わる係の管轄を分け、管轄外のグループLINEに参加するのはお断りしました。
また、自分の委員で予定されている仕事以外の仕事の依頼や相談が急にPTA本部や学校から降りてくることがありますが、キャパオーバーになるのでお断りしました。
②「全部自分でやる」をやめて、任せてみる
自分が何でもやるのではなく、委員の中で小さな係をたくさん作り、みなさんに仕事を割り振りました。
委員長の私はみんなの旗振り係(指揮官)に徹することで、自分にも少し余裕が生まれるし、徐々に“チーム”になっていきました。
③歴代の先輩委員に素直に頼る
私たちの委員には、引き継ぎ係として前委員長が残ってくれるシステムがあるため、「これってどうしてました?」とLINEで遠慮なく聞いています!
聞くだけで、貴重な情報がザクザク出てくるのでおすすめです!
私は前任の委員長さん、偶然知り合った3年前の委員長さん、そしてPTA役員の方々、学校の先生と連絡先を交換しており、わからないときは逐一質問するようにしています!
普段仕事では人に頼るのが苦手で一人で抱え込みがちな私にとっては、これらの行動は大きな一歩でした。
結果的にトップの立場なりの仕事の進め方がわかり、とても勉強になりました。
PTA委員長をやって初めて知った“あるある”5選

- 凄そうに見える役員さんほとんどみんな凡人
- LINEグループ、最初の投稿が空気を左右する
- よく意見を出す人が、意外と手を動かさない現実に戸惑う
- 結局は“なんとかなる”。不思議と乗り越えられる
①凄そうに見える役員さんほとんどみんな凡人
PTAをやる前は、役員さんたちって皆さん仕事デキそう、凄そう、頭良さそう、とちょっと恐縮して近寄りがたい気がしていました。(皆さんもそう思いませんか?)
しかし実際に自分がその立場に立ち、同じような立場のお父さんお母さんたちと話してみると、皆さん案外普通というか、いい意味で凡人。
中には話すのが苦手そうで一生懸命な人なども多くいますし、話を理解するのが人よりちょっぴり時間がかかるタイプの人もいたりとか、別に変に恐縮する必要はないんだなぁと思いました!
②LINEグループ、最初の投稿が空気を左右する
風通しの良い雰囲気にするのも、お堅い雰囲気にするのも、最初のリーダーの投稿の雰囲気ですべて決まるといっても過言ではないでしょう。
今後グループLINEでダラダラ雑談をされたり、既読済の返信だけでLINE通知が鳴りやまない、などといった面倒な事態を避けるためにも、最初にリーダーがびしっとルールを決めておくと良いです。
例えば
・基本的に連絡事項への返信は不要。
・議題と関係ない話題はNG
・会則、タスクなどはLINEのノートなどに記し、いつでも読めるようにしておく
などの工夫で、ウザいグループLINEにならずに済むでしょう♪笑
③よく意見を出す人が、意外と手を動かさない現実に戸惑う
必ずしもそうとは言い切れませんので、あくまでも私個人的な経験談として聞き流していただければと思います笑
一通り議題が落ち着いたあとに余計な質問をしてかき回してくるタイプの人や、よく書類を読めばわかるようなことを何度も質問してくるタイプの人などがいたりします。
そのような人、仕事熱心かと思いきや案外そうでもなく、ただ否定したいだけだったり、やってる風を見せたいだけだったり、単純にちょっと物の理解に時間がかかるタイプなだけだったりします。
逆に普段は控えめであまり質問などしてこないような人が、いざ仕事を振ると熱心にこなしてくれたり、場を仕切ってくれたりして非常に助かることが多かったです。
④結局は“なんとかなる”。不思議と乗り越えられる
そう、結局は「なんとかなる」んです!笑
そしてこの「なんとかなる」を支えていたのは“人とのつながり”だったと今になって感じます。
委員長になりたては何をどうすれば良いのか、本当に霧の中をフワフワ漂っているような感覚だったのですが、それは周りの人たちも皆同じでした。
多少私がうまく仕切れないときでも、クジ引きで委員長を引き当ててしまった私を周りはいつもねぎらって協力してくれましたし、なんとかこなして行きましょう!という温かい雰囲気を作ってくれたので、取り進めることができました。
学校の先生方もそんなにすべてのことに精通しているわけではなく、一緒になって考えてくれたりしました。
委員長の私はわからないことは上位のPTA役員さんたちや学校の先生、また前任の方々に遠慮なく聞くことができる雰囲気だったので本当に救われました。
そうして淡々とタスクをこなしていくうちにやがて任期満了となるわけです。
本当になんとかなっちゃいました!
委員長権限で廃止したこと、ラクにしたこと

せっかく委員長になり権限を持てることになったので、今までわずらわしかった仕事を部分的に廃止したり、ラクになるように工夫してみました!
下記は私がおこなった一例です。
- 会議時間は極力予定より早く切り上げるようにした
- 意見やアイデアを募る際、Googleフォームでアンケートを作成しオンラインで回答してもらった
- 全学年の保護者へ配布する書類は、紙ではなく学校で使用しているsigfyから送れるようにした
- 委員の中の細かい係決めは、LINEあみだくじを使ってわざわざ集まらずに決めた
- 紙の書類は極力なくし、LINEやメールで配布することにした
- 議事録作成用に、AI文字起こしのできるボイスレコーダーを予算で導入した
そんなに大それた改革はしていませんが、とりあえずITを駆使して『無駄を省く』という視点で工夫してみました。
まず、休日にわざわざ定例会のために集まってもらっていたので、貴重な休日を少しでも早く取り戻していただけるよう、会議はできるだけ早く切り上げることを意識していました。
また、プリントの印刷・配布をやめてアプリなどを駆使することにより、用紙代の節約・プリントの印刷や配布の手間という無駄が省けたので、褒められこそすれ保護者からのクレームはまったくありませんでした!
また、娘の小学校では100%の保護者がスマホを持っており、すでに学校からの連絡やプリントの配布はsigfyを通じてできていたので、PTA関係でも使わせてもらえるように交渉し、結果的に非常にプリントの配布やアンケートの実施がラクになりました!
最後に、例年定例会の議事録は書記さんが手書きしたりPCで打って作成したりと大変そうだったので、AI文字起こしのできるタイプのボイスレコーダーを導入し、書記さんを減らすことに成功しました!
完璧にやらなかったからこそ、うまくいったこと

- 完璧な進行台本づくりに時間をかけるのはやめた
- すぐ返事するのではなく、「一晩寝かせる」ことで冷静に対応できた
- 「あの人頼りになる!」と思われすぎないよう、いい意味で“力を抜く”ことを意識
私も普通の人間、ましてやPTAはボランティア。
PTA以外にやることは山ほどあるし忙しいんです。
気合を入れて何でもカンペキにこなさなきゃ、なんて無理なことは思わないことにしました!
「委員長だからちゃんとしなきゃ」という思いを少し手放すことで、結果的に周りの協力も得られて、うまくいったことも多かったです。
委員長を経験して得られた“自分へのギフト”
- プレゼン力、空気を読む力、伝え方の引き出しが増えた
- 保護者仲間と“本音”でつながる経験ができた
- 子どもの「お母さんってすごいね」に、泣きそうになるほど救われた
あんなに逃げたくてしょうがなかった役割なのに、経験することで思いがけず自己肯定感が育てられました。
いままであまり鍛えることのできなかったプレゼン力、会議の進行中の空気の読み方、伝え方がこの一年で少しはスキルアップしたのではないかと思えています!
年間に数回の定例会議、そして壇上で発表するようなPTA総会なども経験し、だいぶ緊張感との向き合い方が変わってきたように思えます。
また、いつもママ友との会話は建前ばかりですが、PTAでは仕事について時には本音で話し合う機会もあり、そこには絆が生まれたように思えました!
子どもたちに「ママの名前が今日配られたプリントの頭に印刷されてた!すごいね!」などと褒めてもらえることもあり、ちょっぴり照れくさいけど嬉しいですね♪
PTA委員長をやってみてわかった、メリットとデメリット

PTAの委員長を経験してみて、次のようなメリットとデメリットを感じています!
メリット
- 想像以上に“人とのつながり”が増える
- 自分の調整力や発信力に気づける
- 「やった」という達成感と、次に同じ立場になる人へのアドバイスができるようになる
- 子どもから一目置かれる(実は密かに誇らしい)
単純にPTA委員長になったことで知り合いの数が増えただけでなく、今まで敬遠していた役員クラスの立場の人たちとも話すようになると実はみんな必死に乗り越えようとしていることがわかり、お互い支えあって乗り越えていくようになることで、心から繋がれる人脈が生まれたように感じています。
また、自分が仕切り役となり打合せを年に何回も開いたり、グループLINEやアプリなどを使ってまとめ役をしたりしているうちに、だんだんと段取りが見えてきて、開始直後よりも自然と落ち着いて物事を調整できるようになってきます。
「あれ?意外と私、立ち回り上手なのかも」と感じる瞬間が増えてきます(笑)
そうしてひとつひとつ案件をこなしていくたび安心感と達成感が味わえ、その経験から自信をもって次の人に引き継ぎできるようになります。
頑張っている親の姿を見て、子どもたちからも一目置かれます。子のお友達からも、褒められたりすることも!
悪いことばかりではありませんよ♪
デメリット
- 想定外の連絡やタスクで、プライベート時間が削られることも
- 自分の意見や判断に責任が伴い、ストレスになることも
- 「委員長だから」と距離を感じてしまう保護者も少なからずいる
- 感謝されにくい場面もあり、「何のためにやってるんだろう」と迷うことも
PTA委員長の仕事は年間通して複数のタスクを進行させなければならず、一つの案件をこなすだけでも数日~数カ月のプライベート時間が削られます。
平日に学校へ招集されることも時々あり、私の場合は会社員ですのでそのたびに有給休暇も削られていきました。
やはり、時間を柔軟に調整することができない多忙な人にはちょっと難しいお仕事かな、と思いますね。
それから、責任ある立場に立つことで自分の権限で物事が決められるようになる一方、自分の意見や判断には常に責任が伴うようになりますので、重大な判断をする際には、批判やクレームも覚悟の上で発言しなくてはならず、ストレスを感じてしまう人も多いかもしれません。
批判や悪口は言われても、感謝の気持ちはあまり伝わってこない、と感じる人もいるかもしれませんね。そうなるとちょっと「何のためにやってるんだろう・・・」とむなしくなることもあるかもしれません。
でもね、所詮は全員ただの子どもの保護者。PTA運営に関しては素人ばかりですよ。
基本的にはPTA活動はボランティア、頑張っても頑張らなくても平等に無給、みんなが嫌がることを引き受けているだけでも感謝されるべきことなのです!
だから、完璧に立ち回ろうとしたり人の顔色を伺ったりせず、時には周りに頼ったりしながらマイペースでやっていくのが一番です♪
PTA委員長にくじで当選!自信がない私でも絶望の淵から乗り切れた方法・コツ まとめ

正直、委員長に選ばれて最初の1~2カ月は本当に辛かったですし、まるで暗闇のトンネルを歩いているようでした。
普段、明るいと言われる私でも、人前で話すのは苦手で手足も声も震えてしまうし、自信を失うし、委員長なんて全然向いてないと思っていました。
でも今では
「あの時くじに当たったのも、何かの縁だったのかも!」
と思えるようになりました。
そう、最初は大変ですが、意外となんとかなるものなんです。
なんとかなる、その境地に立つためのちょっとしたコツや工夫を、私なりにまとめた記事になります。
今この記事を読んでくれている、絶望の淵に立つあなたの気持ちが少しでも楽になれたなら・・・
あなたが委員長をやることになった背景に、意味が見つけられる日が来ますように。
そんな願いを込めて——エールを送ります!!
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